2008-01-18 - 食品安全情報blog
■[論文]リコールされたおもちゃのビーズがまだ英国で販売されている、と医師が警告
Recalled toy beads still available in the UK, warn doctors
17-Jan-2008
BMJに掲載されたレター。
クリスマスプレゼントにもらったBindeezビーズを飲み込んで病院の救急部門に運ばれた7才の女の子の症例報告。意識低下と呼吸停止がみられた。彼女の話によれば間違って飲み込んだのではなく、お菓子だと思って約80個食べた。マジパンの味がした。
Bindeezビーズは2007年11月にリコールされている。
gamma-Hydroxybutyrate poisoning
Poisoning from toy beads
BMJ 2008;336:110 (19 January), doi:10.1136/bmj.39458.455532.3A
■[論文]世界に食糧を供給する:高ビタミントウモロコシを作る新しい方法で途上国の栄養状態を改善できる
Feeding the World: New Method for Producing High-Vitamin Corn Could Improve Nutrition in Developing Countries
January 17, 2008
ビタミンA前駆体レベルが高いトウモロコシを遺伝子により選別する方法。途上国で現地の品種を簡単に同定できて選択的に交配できる。
Science 1月18日号に発表。
Carlos E. Harjes et al.
Natural Genetic Variation in Lycopene Epsilon Cyclase Tapped for Maize Biofortification
Science 18 January 2008: 330-333
■[KFDA]'07年度お菓子類中トランス脂肪実態調査結果発表
(栄養評価チー ム 2008.01.15)
一部の輸入菓子でトランス脂肪が多い
食薬庁は昨年子ども食品安全総合対策の一環として、市中に流通しているお菓子のトランス脂肪酸含量を検査したところ、一回標準量30gあたりの含量は平均0.1gで、2005年に比べて86%減ったことを発表した。
調査したのはビスケット類94、チョコレート加工品類 26、スナック類 61件など合計181件で、一回標準量30gあたりの含量は2005年0.4g、206年0.2gであった。
国産お菓子の場合、トランス脂肪含量分布別に見るとトランス脂肪ゼロの食品の割合が69%で2005年の38%より1.8倍に増えた。0.5g以上含む製品は2005年に46%だったが2007年には約1%と大幅に減少した。
年度別国産加工食品のトランス地方含量変化 グラフ
(1食分あたりのトランス脂肪が0.2g未満の場合0と表示できる)
しかしトランス脂肪含量が0.2-0.5gの製品の割合が30%程度あるので、トランス脂肪ゼロ目標に到達するには継続的な低減化努力が必要である。
一方国内に流通している輸入外国産お菓子のトランス脂肪含量については、トランス脂肪ゼロの製品は58%、0.5g以上含まれるものが31%と国産品に比べてトランス脂肪含量が高いものがある。輸入品については購入の際の栄養成分確認などが必要である。
国内流通国産加工食品と輸入製品のトランス脂肪含量分布率 グラフ
食薬庁は今後ともお菓子類など加工食品に限らずファストフードなど外食メニュー及び小規模パン屋のパンなどを対象にトランス脂肪と飽和脂肪含量実態を継続的に調査・発表し、トランス脂肪低減化委員会及び産業体への技術的サポートなどトランス脂肪ゼロ化のための努力を行うと発表した。
どのくらいの野菜私はジュースの8オンスを作成する必要がありません
■[KFDA][汚染物質]食品用木御箸(割り箸)に対する安全管理基準強化
(容器包装チーム 2008.01.09)
食品医薬品安全庁は日常生活でたくさん使われている食品用木製箸に対する安全管理方案に木製箸の基準・規格を強化する内容の「器具及び容器・包装の基準及び規格」を改訂・告示したと 9日発表した。
主な内容は木製箸1膳あたり二酸化硫黄12 mg以下、オルトフェニルフェノール6.7mg以下、チアベンダゾール1.7 mg以下、イマザリル0.5mg以下などの溶出規格を新設した。
食薬庁は最近輸入されている一部の食用箸には、製造工程で原料の木材の乾燥不十分や高温での船積みによりカビが発生しやすいため防かび剤を使用したり亜硫酸塩累に浸漬する場合があり安全管理のためにこれら二酸化硫黄や防かび剤の溶出規格を新設したと説明している。
今後国内に輸入される又は製造される木製箸はこれらの基準規格に則ったものだけが流通するよう安全管理が強化される。
食薬庁関係者は、今回の改定で昨年マスコミ報道などによりかき立てられた消費者の木製箸の安全性に関する懸念は払拭されるだろうと述べている。
■[CDC]学校での生徒による殺人 米国1992-2006
School-Associated Student Homicides --- United States, 1992―2006
MMWR January 18, 2008 / 57(02);33-36
生徒10万人あたりの殺人率は、総数では減少傾向、一度にたくさんの人を殺すような事件はあまり変わっていない。
1999年7月-2006年6月の殺人数116 。女性23男性93 私立学校5 公立学校110など
■[FTC][CAM]ホルモン補充療法代替製品を販売していた業者が健康強調表示を実証できなかっっためFTCと和解
Sellers of Alternative Hormone Replacement Therapy Products Settle with FTC for Failing to Substantiate Health Claims
January 17, 2007
「ナチュラルプロゲステロンクリーム」を、骨粗鬆症の予防や治療、内膜がんの予防などに有効だと宣伝してオンラインで販売していた業者と、科学的根拠のない宣伝は行わないという同意協定を結んだ。
■[NAS]無線機器の健康影響の可能性で研究すべきことが同定された
Research Needs on Potential Health Effects of Wireless Devices Identified
January 17
無線通信機器から放出される無線周波数エネルギーの健康影響については多くの研究があるが、NRCの新しい報告書ではこれらの機器の長期低用量暴露による影響への理解を深めるための研究分野を同定した。これは昨年8月に開催された 3日間のワークショップに基づくもので、この報告書は健康影響を評価したりどのように研究を遂行すべきかについて助言したりするものではない。
プレスリリース
報告書
■[FDA]FDAはOTC咳及び風邪用製品の使用について助言を発表
FDA Releases Recommendations Regarding Use of Over-the-Counter Cough and Cold Products
January 17, 2008
2才以下の子どもには与えないように;より大きい子については評価継続
どのように多くのカロリーりんごジュースのサービングがありません
FDAは薬局で販売されている咳や風邪用の製品を乳児や2才以下の幼児には与えないよう保護者に推奨する。OTC咳及び風邪用製品とは充血除去剤、去痰薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬などである。これらの製品による幅広い、希であるが重大な副作用が報告されている。死亡や痙攣、心拍数増加、意識低下などがある。
■[HK]旧正月用食品6検体不合格
6 Chinese New Year food samples unsatisfactory
January 17, 2008
食品安全センターが432件の旧正月用食品を検査したところ、6検体が不合格だった。
乾燥甘草と甘い冬瓜2検体が保存料の二酸化硫黄超過、ピーナツ入りもち米団子2検体が基準値を超えるアフラトキシン、乾燥エビが食品には使用できないホウ酸を含んでいた。
集中サーベイランスの結果
トウガラシとカレー粉の色素と水産物のマラカイトグリーンについての集中検査の結果、200検体のトウガラシ及びカレー検体中1検体からローダミンBを検出した。
また水産物については261検体中先に報告した冷凍タイ切り身1検体の他にmud carpミンチ、冷凍タイ切り身、アサリの身の3検体から微量のマラカイトグリーンを検出した。
■[EFSA]添加物、香料、加工助剤及び食品と接触する物質に関する委員会を分割する
Panel on additives, flavourings, processing aids and food contact materials to split
17/01/2008
AFCパネルを、以下の二つに分割する
・ 食品添加物と食品に添加される栄養源に関する委員会(ANSパネル)
・ 食品と接触する物質、酵素、香料及び加工助剤に関する委員会(CEFパネル)
■[EFSA]食用クローン動物の倫理的側面に関するヨーロッパ新技術倫理グループの意見発表についてのEFSAの声明
EFSA statement on the publication of the opinion of the European Group on Ethics and New Technologies on ethical aspects of animal cloning for the food supply
17/01/2008
EFSAは動物のクローニングが、EFSAの管轄外である倫理的道徳的社会的問題を提起することは認識している。従ってヨーロッパ新技術倫理グループ(EGE)が、食用クローン動物の倫理的側面についての意見を発表したことを歓迎する。EGEの意見は現在EFSAが行っている科学的作業を補完するものである。
現時点ではEFSAはクローン動物の食品安全性・動物の健康と福祉・環境への影響についての意見を最終化していない。意見案はパブリックコメント募集のために発表された。意見は2008年2月25日までEFSAのウェブサイトから提出できる。
EFSAの最終意見は2008年5月に発表予定である。EGEの意見とEFSAの意見は、欧州委員会や欧州連合加盟国によるクローン動物およびその製品に関してどのような対応が必要か検討するための材料となるであろう。
EGEプレスリリース
EGEは食用の動物クローニングの倫理的側面に関する意見nr.23を採択した
European Group on Ethics adopts its opinion nr. 23 on ethical aspects of animal cloning for food supply
16 January 2008
砂糖でどのように多くのカロリー
FDAがクローンウシ・ブタ・ヤギ由来食品を認可する可能性があるという発表を受けて、2007年2月にEGEが倫理的側面についての意見を求められた。同時にEFSAも体細胞核移植(SCNT)技術を用いて作成したクローン動物の食品安全性・動物の健康と福祉・環境への影響についての意見を諮問された。
数ヶ月の内部会合、専門家ヒヤリング、意見募集、学会や企業やNGOや国際団体や市民団体などの関係者による円卓会議などを経て、2007(8?)年1月16日に最新意見を採択した。EGEはこの意見の採択前にEFSAの意見案やFDAの報告書が発表されたことは承知している。
現状のクローン動物と代理母動物の苦痛や健康上の問題を考えると、EGEは食用にクローン動物を作ることが倫理的に正当化できるかどうかは疑問である。クローン動物の子孫についてもこれがあてはまるかどうかはさらなる科学的研究が必要である。
現時点ではEGEはクローン動物とその子孫から食品を作ることを正当化する説得力のある論拠を見いだせていない。将来クローン動物由来食品がヨーロッパ市場に導入される場合には、以下のような条件を満たすことを薦める:
食品の安全性 食べても安全であることが前提
動物の健康と福祉 動物が飢え・渇き・栄養不良・恐怖・物理的不快にさらされないこと
トレーサビリティ 現行EU規制に則ること
世界貿易 クローン動物およびその製品の取引には適切な証拠書類が伴っていること
さらにEGEは以下のことを推奨する:
動物の福祉 クローン動物及びその子孫の長期にわたる健康と福祉の研究を行うこと
家畜の生物多様性と持続可能性 家畜用動物種の遺伝的資源保護
一般の参加 一般の議論を促進する
一般の認知 一般の認知状況に関する調査を行う
表示 EGEは技術的困難は承知しているが販売の際には対策を推奨する
知財問題
国際貿易と消費者の自由
研究
意見本文
Ethical aspects of animal cloning for food supply Opinion No 23 -
(あんまりたいしたことは書いてない。動物に苦痛を与える(そもそもどういうふうに動物が感じている苦痛を評価するかはわからない、明確なのは痛みなので痛みを感じるかどうかで判断している部分が多い)ことと生殖補助技術が進歩すればするほど「ヒトの改良」が現実的になることへの畏れが主な理由のような。そもそも動物を食べるということはどういうことなのか、みたいな議論はない。)
■[FSA]職場のケータリング事業者がより健康的な食品を提供する役割を果たす
Workplace caterers commit to healthier food
Thursday 17 January 2008
英国全国で働いている人たちがより健康的な食品を摂りやすくするために、FSAが職場に食事を提供している業者との協力事業第一段階を発表した。
食事の多くは家庭で摂られているが、職場での食事も重要な部分を占める。毎日300万食が職場で食べられていてそのうち200万食がケータリング業者によるものである。
FSAは大手ケータリング業者と協力して、より健康的な食品を低供せきるよう手助けを行っている。
内容としては低脂肪・低塩分メニュー情報の提供や1食分の量を小さくすること、食卓塩の排除など。
■[ACSH][一般向け]奇妙な訴訟
A Strange Lawsuit Revealed
January 17, 2008
Ruth Kava, Ph.D., R.D.
デンバーに住むWayne Watsonが、彼が毎日二袋食べていたポップコーンを購入していた小売店を訴えている。このポップコーンはバター等の乳製品に天然に含まれる香料、ジアセチルで風味付けしてあった。ジアセチルは大量に吸い込むと希な肺疾患である閉塞性細気管支炎を誘発する。バター風味のスナックを製造していた工場で働く労働者に多く見られた。
労働環境で高濃度暴露されると健康上問題になることはわかりやすいが、どうして家庭でそれだけ暴露されたのかを理解するのは難しい。さらに何故小売店に、他の無香料製品も売っていたのに−責任があるとされるのかは理解困難である。この裁判の結果がどうなるかは興味深い。一方製造業者はジアセチルを除去したり労働環境を分離したりしている。
消費者がやるべきことは何だろう?電子レンジポップコーンは適量を食べること、あるいはバター無しにすること、どちらにしてもついでにカロリーを減らせる。
(この人はバター風味が大好きで、いつもポップコーンをチンした後思いっきり吸っていたと報道されていた。訴えた理由は、ポップコーンにバターの香りを嗅ぐために使うなと警告しなかったのが悪い、とのこと。ガーディアンの記事より
■[その他]BIOはFDAのクローン動物の安全性に関する結論を支持
BIO Supports FDA's Safety Conclusions on Animal Cloning
1/15/2008
バイオテクノロジー産業協会(BIO)会長Jim GreenwoodはFDAが発表したクローン動物とその子孫由来ミルクや肉の安全性に関するリスク評価について以下の声明を発表する。
BIOはクローン動物とその子孫由来ミルクや肉は人が食べても安全であるというFDAのリスク評価を強く支持する。バイオテクノロジー業界は、FDAによるこの新しい生殖補助技術の包括的科学的レビューを賞賛する。FDAのリスク評価は世界中で行われているクローン動物とその子孫由来食品は安全であることを示した多くの研究結果と一致する。安全性に結論が出たとことで、牧場主や家畜生産者はクローニング技術を使用し始めることができる。
以下略
BIOはクローン動物に関するEFSAの科学的意見を支持する
BIO Supports EFSA Scientific Opinion of Animal Cloning
1/11/2008
BIOはこんなのやってる
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